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ライブハウスは死ぬのか。バンドマンは、日本のエンタメは生き残ることが出来るのか

ライブハウスは死ぬのか。バンドマンは、日本のエンタメは生き残ることが出来るのか

更新日時:2020年11月20日

また今日も、行きつけのライブハウスが1つなくなってしまった。コロナ禍において大打撃をくらっている音楽業界。踏ん張り続けてはいるものの、終わりの見えないこの騒動に一つ、また一つとジワジワ体力がなくなって消えていくライブハウスももうかなり増えてしまいました。

 

そんな中でも生き残っているライブハウスは、配信ライブに力を入れています。配信ライブの良さはもちろん、遠くにいるお客さんや自粛しているお客さんの耳に演奏を届けられる事です。しかし、そうなってくるとじゃあ遠征ライブやツアーなんてものは必要なくなってしまうのだろうか?という至極当たり前な疑問が浮かびます。

 

結論はそれぞれの音楽ファンで違いますが、生粋のバンドマンである筆者はこのご時世にGoToトラベルキャンペーンを使って、千葉に飛びました。それはもちろん、大好きなライブハウスに行くため。そして、お客さんに生の音楽を届ける為です。

 

千葉の稲毛という街には10年以上お世話になっているライブハウスがある。

 

初めて訪れた日、前日にメールが届かずに、札幌から不安の中稲毛に降り立ちライブハウスの前に行ったものの、まだライブハウスは開いておらず、荷物が多かった筆者はとりあえず上に併設されている音楽スタジオに避難した。そこでたまたまその日ベースを練習していた方が、遠いところ大変だったなとビールを奢ってくれた。ホッとしたのか、色々な話しをその方としていると、段々ととんでもない事が分かってきた。その方は僕が好きなバンドのベーシストだったのだ。

 

CDだって持ってる。何ならライブも見てるのに何故気付かなかったのか。「今日は息子の晴れ舞台で忙しいんだよ」と言っていながら、ちゃんとその日の筆者のライブを見に来てくれたり、その後も数えきれないくらいにお世話になり続けている。

 

筆者がやっていたバンドは、地元で少し売れて、メジャー候補生みたいな待遇で大手事務所に所属したが、結局デビュー出来ずに契約が切られてしまった。はたから見れば切ない待遇に見えるだろう。

 

何故音楽を続けるのか?

 

と問われることも多々ある。しかし稲毛は行くたびに音楽を続けてきてよかったなと思わせてもらえる大事なライブハウスなのだ。こんな時だけど、行きたかった。まだライブをやっているんだと、音楽は続けているんだと、直に報告しに行きたかったというのも、間違いなく動機の一つだ。

 

大分話がそれてしまったけど、ライブをやり続ける事というのは、ネットが発達した今、意味のあるものなのかと疑問に思われることも多い。でも、何度でも声を大にして言いたいのは、ライブハウスは必要だ。そして音楽もバンドマンも、必要としてくれる人がいる限り死にはしないということだ。

 

 

 

ライブと配信ライブの違い

 

この例えとして、よく言われるのがこの言葉。多少下品ではありますが的を射ていると思います。

ライブはSEX。配信やDVDなどの映像はAVという例え。そうなんです。配信ライブと生ライブはそのくらい違うのです。音楽ライトユーザー層や、そもそも興味のない人達は決してわからない感覚だとは思いますが、昨今ライトユーザーも夏フェスなどの「気軽に生ライブが楽しめる環境」というモノが日本に根付いてからはその感覚がわかるという人も増えてきたように思います。

 

 

 

だからこそ、バンドマンは死なない。

 

 

というか、死んでる場合ではない。もちろん以前のようにギチギチに人が詰まったライブハウスで、酸欠になりそうになりながら叫んだり、会場一体となって楽しめるようなライブを行うことはまだ物理的に不可能かもしれない。

 

それでも、その日は確実にやってくる。実際に知り合いのバンドマンやシンガー達も、コロナ禍で活動休止に追い込まれたり、人知れず辞めてしまっていたりする人達はいる。それでも自分が決めた事なら良い。きっと本当に音楽が好きだったら、辞められずに戻ってくるはずだから。

 

 

 

ライブハウスが出来る事。ライブハウスに出来る事

 

 

今、ライブハウスには怖くて通えない、会社に行くなと言われているので行けないという方も大勢いるだろう。

 

そういった方々も、きっとコロナ騒動がひと段落したらまたライブを見る事を楽しみにしているはずだ。そんな時、アフターコロナで出てきた新進気鋭のライブハウスだけに、その興行を奪われてしまって良いわけがない。ライブハウスには、夢破れたバンドマンの涙や、色んな事を我慢しながら働いて流した汗。演奏を聞きに来て、日々のストレスを発散しに来た人々の熱狂や、感動が詰まっている。しみついている。だからこそ、僕達バンドマンもステージに上がった時に気合が入るのだ。

 

音楽は死なない。そんなのは当たり前だ。でも、僕達が愛してやまない、確かに自分を救ってくれた、そんな命に関わるほどに大好きな、泥臭い音楽はこのままじゃ死んでしまう。

 

売れていればよいなんていう音楽ではなく、誰か一人の胸に突き刺されば良いという音楽がやれることは、まだまだあるはずだ。少しずつだけど、明日の兆しは見えてきている。そんな時に心置きなく自分の好きな音楽を楽しむために、今は皆で守って行ければ良いなと思います。

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